風の話

よく天気予報なんかで高気圧やら低気圧やら、みんなわかっている前提で話されますね。なんとくなく、高気圧なら腫れ、低気圧なら雨、その程度の認識ならあるのではないでしょうか。今日はそんなお話です。

 

そもそも高気圧とは空気がたくさん集まっている状態、低気圧は空気が少ない状態だと考えてください。

f:id:geografighter:20200316124622j:image
上空の空気が地面に降りてくると、空気が周囲より多くなります。これが高気圧です。

 

f:id:geografighter:20200316124922j:image

逆に地面の空気が上空にあがると低気圧になります。この時、水蒸気も一緒に上空に上がるので、低気圧の周りは雲ができやすいのです。

空気はたくさんあるところから少ないところに向かって流れます。これが風です。風は必ず高気圧から低気圧に向かって流れます。

 

 

日本付近では、高気圧と低気圧が行ったり来たりするので目まぐるしく天気が変わりますが、世界には高気圧ばかりが発生しやすいところと低気圧ばかりが発生しやすいところがあります。

f:id:geografighter:20200316131807j:image

赤道付近は強い日射によって、常に海面が暖められます。すると、上昇気流が発生しやすくなります。赤道付近で低気圧が発生しやすい地帯なので赤道低圧帯と呼びます。

赤道低圧帯で上昇した空気は、少し緯度の高いところに流れて地面に落ちてきます。この地帯を中緯度高圧帯と呼びます。この付近は常に晴れているので、砂漠になりやすくなります。サハラ砂漠やオーストラリアの砂漠はこうしてできました。日本付近の太平洋高気圧も、中緯度高圧帯によるものです。

 

中緯度高圧帯は、地球全体の気候に大きく作用しています。

f:id:geografighter:20200316153322j:image

長々と書きましたが要はこの図です。南のあったかい空気の塊から風が来ることで、ヨーロッパは寒くなりすぎません。この風を偏西風と呼びます。地中海にリゾートがあるのはこのためで、偏西風の影響を受けやすい大陸の西側は住みやすくなります。特に夏は、雨の降る日が少ないのでレモンやトマト、オリーブを作ります。各国の料理にも関わってきますね。