円高と円安
よくごっちゃんになる話、円高だと輸入が有利で、円安だと輸出が有利。話を聞いてすぐならみんな納得するけど、しばらくするとどっちだっけ?今日はそんなお話です。
そもそも1ドルですが、基本的に100円と考えてください。誤差はありますが、ドルを円で考える時はゼロを2つ付け加えます。1000ドルなら10万円だし、1万ドルなら100万円です。では本題。
1ドルが100円から110円になったとします。この場合、1ドルのおもちゃの値段が110円になるので、ドルが高くなった。だからドル高。
反対に、1ドルが90円になると、おもちゃは安くなります。ドル安です。
ドルが高いのか安いのかで考えると分かりやすいのではないでしょうか。
このおもちゃは輸入品なので、ドル安の時に買ったほうがいいわけですね。円高ドル安だと輸入が有利になるのがわかると思います。
しかし、外国人が日本のものを買う場合、円安の方が買ってくれやすくなります。経済はバランスが大切ですね。
ではまた、今度。
風の話
よく天気予報なんかで高気圧やら低気圧やら、みんなわかっている前提で話されますね。なんとくなく、高気圧なら腫れ、低気圧なら雨、その程度の認識ならあるのではないでしょうか。今日はそんなお話です。
そもそも高気圧とは空気がたくさん集まっている状態、低気圧は空気が少ない状態だと考えてください。
上空の空気が地面に降りてくると、空気が周囲より多くなります。これが高気圧です。
逆に地面の空気が上空にあがると低気圧になります。この時、水蒸気も一緒に上空に上がるので、低気圧の周りは雲ができやすいのです。
空気はたくさんあるところから少ないところに向かって流れます。これが風です。風は必ず高気圧から低気圧に向かって流れます。
日本付近では、高気圧と低気圧が行ったり来たりするので目まぐるしく天気が変わりますが、世界には高気圧ばかりが発生しやすいところと低気圧ばかりが発生しやすいところがあります。
赤道付近は強い日射によって、常に海面が暖められます。すると、上昇気流が発生しやすくなります。赤道付近で低気圧が発生しやすい地帯なので赤道低圧帯と呼びます。
赤道低圧帯で上昇した空気は、少し緯度の高いところに流れて地面に落ちてきます。この地帯を中緯度高圧帯と呼びます。この付近は常に晴れているので、砂漠になりやすくなります。サハラ砂漠やオーストラリアの砂漠はこうしてできました。日本付近の太平洋高気圧も、中緯度高圧帯によるものです。
中緯度高圧帯は、地球全体の気候に大きく作用しています。
長々と書きましたが要はこの図です。南のあったかい空気の塊から風が来ることで、ヨーロッパは寒くなりすぎません。この風を偏西風と呼びます。地中海にリゾートがあるのはこのためで、偏西風の影響を受けやすい大陸の西側は住みやすくなります。特に夏は、雨の降る日が少ないのでレモンやトマト、オリーブを作ります。各国の料理にも関わってきますね。
為替の話
現在円高が進行していると話題になっています。円高になると、輸入品が安くなります。日本で最も身近な輸入品ってなにを思いつきます?この記事はどのような端末で読んでいますか?私はiPadで書いています。apple製品って、世界中どこで買っても基本同じものが手に入るじゃないですか。今回は、私が愛用しているiPad Pro12.9 256G wifiモデルの価格を2020年3月13日現在の為替レートで比べてみたいと思います。
とりあえず日本での価格
12万3800円。これより高いのか安いのかをみていきましょう。
まずは本場、アメリカのサイトに飛んでみましょう。
1149ドルです。現在1ドル105.13円なので
12万0794円37銭
約3000円安い
2つ目 イギリス
1119ポンドです。現在1ポンド132.05円なので
14万7763円95銭
約2万4000円高い
3つ目 EU どこでもよかったけど、今回はスペインのサイトに飛びました。
1269ユーロです。現在1ユーロ117.67円なので
14万9323円23銭
約2500円高い
4つ目 韓国
146万9000ウォン。現在1ウォン0.086円なので
12万6334円
約3000円高い
5つ目 中国
9059元。現在1元15円なので
13万5885円
約1万2000円高い
6つ目 オーストラリア
1749ドル 現在1ドル66.22円なので
11万5818円78銭
約8000円安い
安い順に
オーストラリア
11万5819円
アメリカ
12万794円
日本
12万3800円
韓国
12万6334円
中国
13万5885円
イギリス
14万7764円
EU
14万9323円
グラフにしたらこんな感じ
円高の影響を受けてなお、日本のApple製品は安いことが分かりました。ヨーロッパは特に高いですね。もっと高いMACとかで比べたら差が開くはずです。韓国や中国の人なんかは自国で買うより日本で買ったほうがお得ですね。冒頭でどこで買っても同じと書きましたが、海外仕様だとカメラのシャッター音がならないらしいです。オフィスで文書を撮る時にうるさいんですよね。今回調べた限りでは、オーストラリアで買うのが1番安いことが分かりました。しかし、注意しないといけないのが為替手数料です。利用する金融機関やカードによって変わりますので、それをふまえて安ければ買いですね。アメリカやオーストラリアに行く用事があるなら、ついでに買ってもいいかもしれません。
ではまた、今度
緯度の話
以前気候の話をしましたが、暑いか寒いかは、赤道との距離によって決まります。赤道からどれくらい離れているか、これを測るものさしが緯度です。緯度は0°から90°まであり、数字が大きくなるにつれて寒くなります。じゃあどれくらいの緯度がどれくらいの気温なのでしょう。これがわかると、場所でだいたいの気候がわかるようになります。
とりあえず、日本の位置を把握しましょう。
見馴れた日本地図ですね。緯度の線を引いてみたので数字に注目してください。
北海道の1番上の端っこ、宗谷岬が北緯45°です。九州の南の端を通るのが北緯30°です。台湾の上の端が北緯25度です。
日本の範囲は北緯25°から北緯45°までということが分かりますね。日本の場合、九州付近の北緯30°らへんは暖かく、東北地方や北海道の北緯40°付近は寒い、というのが一般的な認識ではないでしょうか。
では、外国を見てみましょう。
ヨーロッパです。気候についてはちょっと馴じみがないかもしれませんね。先ほど見た日本を基準に考えてみましょう。北海道の端っこが北緯45°でしたね。わかりやすいように並べた図を作ってみました。
パリとかロンドンなんかは、地図に疎い人でも聞いたことはあるでしょう。両方北海道より上なんです。ロンドンにいたっては樺太と同じ緯度なんです。でもそんなに寒いイメージはありませんよね。ヨーロッパで人気のリゾート地、南フランスのモナコやニースも緯度的には北海道と同じくらい。ネットで拾ったニースの画像がこちら
海水浴をしに北海道に行く人は多分少ないですよね。
ヨーロッパは北緯40°から60°の間に大きな街がたくさんあります。全体的に緯度の割に暖かいんですね。東アジアじゃ考えられません。歴史的に高度な文明が発達できたのも、冬の寒さが厳しくない気候が影響しているのかもしれませんね。
ヨーロッパは意外と緯度が高いことがわかっていただけたでしょうか。
ではまた、今度。
インドカレーの話
個人的なことで恐縮なのですが、あたくしカレーが大好きなんですよ。自分でスパイス調合したこともありましたが、コスパが悪いのでやめました。カレーといえば、インドじゃないですか。なので今回は、インドカレーを通じて、インドの秘密をちょっとだけさぐっていきたいと思います。
インドカレー屋さんって本当にどこの世界にもありますよね。どんな田舎の都市にも、そしてわたしが知る限りあらゆる国にあります。誰しも一度は食べたことがあるでしょう。
インドカレーといえば、どんなイメージですか?
・ナン
・ターメリックライス
・ラッシー
・ヨーグルト
・タンドリーチキン
少なくとも、日本の家庭や給食で食べられるカレーとはちょっと違いますよね。ちなみに日本のスタイルは、イギリスの海軍が、揺れる船の上でも食べやすいようにとドロドロにしたものなんだそうです。それを日本の食品メーカーが小麦粉でルーを固めて調理しやすいようにしたんですね。
インド人は毎日カレーを食べるということを聞いたことはありませんか?実はこれ、あたりまえのことなんです。インドの言葉でカレーと言うのは食事を意味するのだそうです。我々だって毎日いろんな食事をしますよね。同じような感覚で、インド人は毎日スパイスの種類を変えながらいろんなカレーを食べるんです。インドには世界のスパイスのおよそ80%があるとも言われています。多様なカレーがあるのも納得です。
インド料理店に行くと、だいたいみんなナンを注文するのではないでしょうか。私はナンが好きなので。でもインドではナンは高級品で、チャパティーと呼ばれる小麦粉のお煎餅みたいなのが一般的なようです。いずれにせよ原料は小麦ですね。こちらを図をご覧ください。
今回の話をする上で、インドには重要な山脈が2つあります。ヒマラヤ山脈と、西ガーツ山脈です。緑色で示しました。名前はどうでもいいので、場所を見てください。夏の湿った季節風がこれらの山脈にぶつかると、風上側に雨をもたらします。茶色い線で、雨がたくさん降る地域を示しました。地理学では年間降水量1000㍉以上あるとお米を作れます。1000㍉未満なら畑作、小麦です。
長ったらしくかきましたが、茶色い線より海側ならカレーライス、反対側ならカレーナンということです。
インド人みんながナン食べてるわけじゃないんですね。
ほかにも、北部では酪農が盛んだから生クリームやバターを使ったカレーが主流だし、西部のゴア地方ではキリスト教の影響が強く、豚肉が禁止されていないためポークカレーが食べられます。南部では仏教徒など、ベジタリアンが多いため、豆カレーが一般的なようです。
なんせ13億人弱の人口を誇るインドですからね。まだまだ知られざる文化があるのでしょう。興味深い国ですね。
今日のごはんはインドカレーにしましょう。
ではまた、今度。
気候の話
地球は1周およそ40000kmもあり、場所によって気候が大きく変わります。赤道に近い『熱帯』は暑いし、赤道から遠い『寒帯』は寒いなんてことは、容易に想像つきますね。ではこの気候帯、いくつあるかご存知ですか?また、どこからどこまでを熱帯というのか、曖昧な人がほとんどなんじゃないでしょうか。今日はそんなお話です
基本的な気候は5つ。代表的な場所を取りあげてみます。それぞれ何色がどの雨温図か考えてみてください。
気候帯は大きく5種類。基本、赤道に近い順に熱帯→乾燥帯→温帯→冷帯→寒帯、となります。では、雑にとらえますね。
熱帯は冬がないので1番寒くて20度(温度のグラフがほぼ横に一直線)
雨がほぼ降らないのが乾燥帯(降水量の棒グラフがほとんどない)
冬があるけど0度までいかないのが温帯(1番気温が低い月に注目)
マイナス行っちゃうのが冷帯(温帯と似てるけどより寒い)
寒すぎて夏の気温が10℃いかない1桁だったら寒帯(生物の生息が非常に困難)
考え方はこれだけ。これにあてはめてさっきの雨温図を考えてみましょう。
赤は赤道直下のシンガポールです。冬がないのでAが該当します。
黄色はエジプトのカイロです。サハラ砂漠が有名ですね。当然乾燥体でBです。
緑は東京です。四季の変化に富んだCが該当します。
紫はバイカル湖の湖岸のイルクーツクです。何気に夏は暑くなるんですが、冬の気温の下がり方がえげつないですね。
水色は北極海沿岸のディクソンです。他のグラフと違って、上が0度になっているので注意です。年間ほとんど氷点下ってどんな世界なんでしょうね。
いかがでしょう。かなり噛み砕きましたが、正確には以下のような定義となっています。
今回は、だいたいの見分けがつくようになれば十分です。
ではまた、今度。
赤道の位置
まずはこちらをご覧ください
これら4つの地域に赤道を引いてください。
こたえ まずはアフリカから
アフリカでは、ヴィクトリア湖の北をかすります。ほとんどの地図で、ヴィクトリア湖が示されていると思いますが、運悪く真っ白だった場合、西の海岸の2つの出っ張りを目印にしましょう。北の出っ張りのちょっと北を通ります。また、アフリカの地図には赤道と本初子午線が交わるポイントがありますね。このポイントは海上です。
次、東南アジア
マレー半島の先っちょに、シンガポールという国があります。実は島なんですが、このシンガポールをかすります。『K』の形をしたスラウェシ島を貫いて、ニューギニア島は完全に南半球です。
次、南アメリカ
エクアドルが赤道を通ることで有名ですが、このように国境線がない場合、東の少し凹んでるところを目印にします。ここはアマゾン川の河口です。
最後にインド
そもそもインドは赤道を通りません。暑いイメージがあるから赤道が通ってるって思ってる人がたまにいるんですよね。赤道は南のモルディブ諸島を貫いています。新婚旅行なんかで人気のリゾート地ですね。
いかがだったでしょうか?赤道が通る陸地は結局アフリカと東南アジアと南米の3か所だけなので、そこさえマスターしちゃえばおしまいです。世界地図って見てるようで案外知らないことがありません?赤道がわかると気候がわかります。気候がわかると農業がわかります。農業がわかると暮らしや文化がわかります。少しでも世界地図に興味を持っていただければ幸いです。
ではまた、今度。